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2009年3月28日 (土)

生きる・・・。

Image090328

<掲載の写真はクリックすると大きな画像が見られますよ>

 

以前、映画の話題を書いた時にピックアップした
「おくりびと」をやっと昨晩に有楽町の映画館で観てきました。

実は鑑賞より先に脚本を読んでいたのですが、
その感想は「結構淡泊な内容で味付け次第では退屈かな?」
というところ・・・・・
が、本番の映画の方はなかなかどうして、
ただのお涙頂戴ものではなく、軽いタッチながらも
観る人に<生って? 死って? 普通って?>
を考えさせる作り込みになっており、
映画としての世界感はちゃんと創出されていたと思います。

映画関係のボードでは
ストーリーが短絡的すぎるとか、予定調和すぎる!
作品として泣けるのではなく、死そのものが悲しいだけ!
最後の最後でアレはないだろう!・・・・・なんていう
アンチの意見もかなりあるみたいですが、
自分的にはこの作りで正解だったのではないかと・・・。
書き込みが足りない部分も確かにありますけどね。

賛否両論のある広末涼子のキャスティングと彼女の演技には
確かに???な部分もありました。
ただ、好き好きですからね、その辺は。
う〜ん・・・自分なら、石田ゆり子とかを選んだかな、と。(笑)

さてさて、主演の本木雅弘、
以前はウマイながらも、ちょっとユニセックス的で、
つかみ所のない俳優さんという雰囲気を感じていたのですが
今回は作品の主人公としてきちんと板に立っており、存在感もグー!
チェロのシーンでも久石譲さんの素晴らしい音と彼の演技は
ちゃんとシンクロしていました。
次回作もぜひ観てみたくなる俳優さんです。

脇を固める山崎努、笹野高史、吉行和子は個人的にはもう文句なし!
自分の最後の時は、山崎さんの様な方に面倒を見てもらいたいなぁ。
そうそう、短いシーンでしたが、最愛の妻を失った悲しみと、
脱力感を最高の演技で魅せた山田辰夫にもう涙、涙・・・。
この作品を最後に本当に旅立ってしまった峰岸徹さんも
天国で喜んでいるかな。

細かいことを言い出せば突っ込みどころ満載の作品で、
原作者の意向、宗教感と異なるということで
本来の「納棺夫日記」ベースとは異なるものになったようですが
映画館で鑑賞して良かったな、と思えた作品でした。
発売されているDVDの方は
大事なシーンが結構カットされているらしいので
ちゃんと楽しみたい人は劇場へぜひ!!

最後に・・・オスカー受賞についてはぁ・・・
んー・・・めでたいことではありますが、
これ、ぎゃーじんさんたちが観てその心に響くのかしらん?・・・。

(追記)
この作品、オスカーを始め各種の賞は取りましたが
いわゆる珠玉の名作・・・とまではいえないかもしれません。
また、文学的なレベルの作品を期待すると拍子抜けするかもです。
ただ、ここ数年の乱発される邦画の作品傾向にあるような、
後のTV放映の視聴率やDVDの売れ行きを優先して作られた
映画とは言えない、どうでもいいようなレベルの作品とは
明らかに一線を画しています。
制作に携わった様々な人の想いが
ぎゅっ、と込められた素敵な作品だと思いました。

 

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コメント

猫ちゃんの横のペットボトルが、なんとも「生きる」とゆ~タイトルに絡めてあるっぽく見えて、写真とタイトルのマッチングがグゥ~!な気がします
沢山あるピュンさんの写真の中でも、ピュンさんの方をチャンと見て来ている猫ちゃん達は、大半がピュンさんを認識してるんでしょうね~
自分と相手との間に「柵」があるだけで雰囲気が随分と変わって来ますよね…
この猫ちゃんにも本当に頑張って「生きて…」欲しいですねっ

おくりびと、まだ見てないのですが、分かりやすいレポートを読めて本当助かります! 私、あまり前評判とか評価って気にならないタイプなのですが、原作があって、それを映画化した話って、絶対原作通りになんて、制作上不可能!って思ってるタチなので、ここはもう仕方のない事ですもんね~!
映画を楽しみたいのであれば、余計な詮索抜きで望まないと、この世の全ての映画やドラマは突っ込み所しかないものになってしまいますもんね~
私は昨日、あまり見ない邦画ですが、「ハンサムスーツ」を見ました!以外にもグッと来て一人ボタボタとお泣きしながら見た部分もありましたが、全体的に邦画のクオリティがここ数年で格段に上がっているとゆ~事自体が私は凄いと思うんですけど、ピュンさんはいかが思いますか?
おくりびと、レンタルして見ようと思ってるのですが、大事なシーンがカットォ
借りるの少しためらっちゃうな
でも、見てみますねっ

投稿: しゅりっち | 2009年3月28日 (土) 23時49分

「おくりびと」私も観ようと思っていましたが
ピュンピュン丸さんの文章を読んで、その思いが
最高潮に達しましたよー。
オスカーより、TVのCMより、ピュンピュン丸さんの感想の方が
そそられます。期待でワクワクしてきました。

写真は市場のような所でしょうか
しっかりと生きる猫ちゃんなんですね。

投稿: 相方 | 2009年3月29日 (日) 00時29分

こんばんは。
「おくりびと」は話題になる前に観ましたが・・・
ピュンピュン丸さんの映画の感想を読んでいまして、その時の感動が蘇ってきました。
確かに私も、脇を固める俳優さんの演技が光ってとても印象的でした。
ココロに残った作品の一つです。
柵の前に座っている写真の猫ちゃんも・・・
タイトルの様に強く生きる感じが出て少し胸が痛みます。
段々温かくなっていますので猫ちゃん達も過ごしやすくなりますね!

投稿: kazeneko | 2009年3月29日 (日) 01時14分

お早うございます!
これは、ゼヒ見に行かなくちゃ~~。
本木さん、良かったんですね。うん。
山崎努さんは、大好きな俳優さん。
カレね、完全なる下戸さんですって。
峰岸さんも鬼籍に・・・・・・。
う~ん。どんな方に送られたのでしょうね。
ネコちゃん、あんまりじっと見つめられなくて
ゴメンね。映画への興味が、
今日はちょっと勝っちゃったよぉ。

投稿: 裏香織 | 2009年3月29日 (日) 09時04分

>しゅりっちさん

こんにちわ。

ありがとうございます。
猫ってどう人間を認識・判別しているのか、
記憶力、そのキャパシティは?などと謎が多いのですが
こちらが顔なじみっと思っている猫たちは
間違いなく自分を分かっているな〜と思えることも多々あります。
野の猫たちの生って色々と難しいですね・・・。

さて、長々とした映画の話を読んで頂いてすみません。 (^^ゞ
邦画のクオリティ・・・う〜む・・・。
ごめんなさい、自分個人としては逆な意見になってしまいます。
特にバックヤードにTV局が多く絡んでくるようになって来た頃から
“映画”としての最低限のクオリティを持つ作品が少なくなった様な・・・。
映画って色々な作り方、観方、があって良いと思いますが
時間をかけて足を運んで、お金を払って、
暗闇の中スクリーンで浸って観る、その後想いを巡らせ・・・。
それを満足させてくれる様な作品が少ないかなぁ・・・と。
邦画、嫌いじゃないんですけれどね。

おくりびとのDVD、そうなんですよ、細かな部分ですが
結構意味のあるシーンがカットされている様ですよ〜

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月29日 (日) 13時31分

>hiroeさん

こんにちわ。

映画評にもなっていない話にお付き合い頂いて
ありがとうございます。
欲を言い出すとキリがない、
ちょいと物足りなさも感じた作品でしたが
自分としては映画館で観て良かった作品でした。
相方かあさんの感想も聞いてみたな〜!鑑賞後ぜひ〜!

写真に写っている場所は人通りの少ない、
とある道路橋の下にある空間です。
猫たちにとっては好都合な隠れる場所がたくさんあるので
かなりの野良ちゃんたちが逞しく生きています。(∩.∩)

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月29日 (日) 13時31分

>KAZENEKOさん

こんにちわ。

KAZENEKOさんが以前おっしゃっていた
食べ物のシーン、確かに印象的でしたね〜。
特に白子のくだりはサラッと流していましたが
良いシーンでしたね。(∩.∩)
脇を固める役者さんたち、山崎さんや笹野さん
いてくれるだけで安心できる役者さんですよね〜。
しかも毎回それぞれの役柄に見えるところがすごい。

この写真の場所にいる猫たちは
ごはんには困らないようですが
川沿いの風が通り抜ける場所にあるので
冬の寒さがかなりこたえるはず・・・。
ほんとに早くもっと暖かくなって過ごしやすくなれば、ですね。

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月29日 (日) 13時31分

>裏香織さん

こんにちわ。

なんかとりとめもない、長い文章になっちゃって。 (^^ゞ
DVDはこの作品にとっては重要とも言えるシーンが
カットされている様なので、できればぜひ劇場に〜。

この作品のキャスティング、脇がそうそうたる面子なので
そういう意味でも本木さんはやりやすかったでしょうね。
もちろん彼の演技も光っていましたよ〜。
山崎さん、素敵な役者さんですよね。
それにしてもお酒強そうなのにな〜、下戸なんすね。
ちなみにマルサの時の山崎さん好きです。
峰岸さん・・・封切り後に亡くなったそうですが
作品、ご覧になったんですかねぇ・・・。

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月29日 (日) 13時31分

「おくりびと」。アカデミー賞の発表があった日に「やっぱりこの日でしょう」(笑)と観ました。
ストーリーとしては、ホントに予定調和の運びでしたけど、変にひねくらなかったことで、演出と役者さんの演技が光ったのではないかなあ…と個人的には思いました。

山崎さんはもちろんですけど、笹野さん、吉行さん、あげておらえた山田さん、さすがでしたね~。もっと余さんも評価されるべきだと思います。広末涼子は論外(笑)
滝田監督のユーモアってすきなんです。私。
『木村家の人びと』っていう、小銭をためる一家の映画があったんですけど、(桃井かおりとかでてます。)好きだったなあ~。ナンセンス満載なんだけど、くすっと笑えてほろっとできて。

今回も、ちょっとブラックかもしれませんけど、笹野さんの仕事がひょんなことで判明するシーン、ありますよね。あそこで吉行さんとの話をして泣かせたあとで「私、燃やすの得意ですから」とひと言言うセンス。そして「新しい世界への旅立ちを見送る門番」(でしたっけ、詳細間違えてたらごめんなさい)とまたまた泣かすと同時に、悩める本木さんの思いを後押しするさじ加減。うまいなあ~。と思いました。

残念なことに、この映画を観たあと、数週間後におばを見送ることになり、思わずシーンのいくつかがダブりました。日本人独特の死生観、外国人に理解はされないとおもいますけど、形式美に感激してくれただけでも、よかったのではないかしらん。

投稿: ぶち | 2009年3月29日 (日) 17時01分

「生きる」って、いい言葉ですよね。単純だけど、なんとなくジーンとくる。

この写真は、2009年3月 2日と同じ場所でしょうか。今度、いってみよう。

ところで、3月2日のコメントだと、倉本聡の「ライスカレー」のDVDを買われたとか。
あれ、いいですよね。特に最後の方の「この世で一番うまいのは二日目のカレーだ」というシーンは、妙に記憶に残っています。
私も、同意見です。「あつい飯+冷えた二日目のカレー」、これ最高です。

投稿: のらオヤジ | 2009年3月30日 (月) 15時45分

>ぶちさん

こんばんわ。

ほんとに、最近の演出にありがちな
これでもかっていうくらいの泣かせ攻撃と、
長回しボソボソゼリフ病の演出ではなくて良かったです。
ぶちさんも、広末はダメでしたか〜。
なんででしょう・・・生活感が彼女からは感じられず、
夫婦(妻)にも見えないんですよねぇ、う〜ん。(笑)
滝田監督、自分も好きです。
「木村家の人びと」も「壬生義士伝」も好きな作品です。
ヒーロ・ヒロインであろうが、普通の人を描こうが
どこかトボケタところや、人間くさい面を隠さずに、
人物像を魅力的に創り上げていく監督さんですよね。
だから登場人物に感情移入がしやすい。
ほんと上手いなと思います。
壬生義士伝の中井貴一の味付けなんて最高でしたもん。
笹野さんのあのシーンは良かったですね。
あのセリフと点火ボタンをなかなか押せない指・・・印象的でした。
そうそう、ブラックといえば現場で削った
山崎さんの白子のシーンのセリフで
「この仕事やってるとな、ひとつだけいいことがある
 ・・・塩には困らん」ていうのがあったそうですよ。

外国人たちってこの納棺師、日本の歴史ある伝統だと
思ってしまうでしょうねぇ・・・。

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月30日 (月) 18時50分

>のらオヤジさん

こんばんわ。

生きる・・・力強くて、難しいことばですよね。
自分も大切な言葉だと思います。

この写真は、そうですあの場所ですよ〜。
ここのところ暖かい日もあって結構います。ぜひぜひ。

のらオヤジさんもライスカレーご存知でしたか!
うれしいな〜。 良い作品でしたよね。
二日目のカレー、ちょっとしたシーンで言われる台詞ですが
ほんとに印象的な言葉でした。
自分も、同意見! 二日目のカレー最高です。
あ、冷やごはんにかけても美味しいんですよね〜。(∩.∩)

投稿: ピュンピュン丸 | 2009年3月30日 (月) 18時53分

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